照れることもなく、こちらも見ずに資料を収めながらさらりと口説く。
うーん、葵くんと違って相変わらずスマート。
「……嘘。桐谷くんと私がちゃんと話したの、2、3回くらいでしょ?それで気になるなんてありえない。」
平然として笑顔で切り返す。
桐谷くんもそれに全く動じない。
それどころか、大人びた笑顔を返してきた。
「関係重ねないと恋愛にならないと思ってるの?
葉澄さんって、案外ピュアな考えしてんだね。」
「――な。」
淡々と言った桐谷くんの言葉に、ぴた、と思考が止まる。
(ピュア?私が?)
死角から刺された気持ちになってすうっと背筋が冷える感覚を、咳払いと涼しい笑顔で隠した。



