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――2日後。水曜日の昼休み。
いつもの踊り場で私は葵くんをジト、と睨む。
睨まれる心当たりのない葵くんは、半笑いしながらたじたじになっている。
「なんか優里さん、怒ってる?」
「……怒ってないけど。ここ最近の葵くんの成長ぶりに恐れをなしてるだけ。」
「どういうこと!?っていうか成長してる?俺。
それなら嬉しいけど……」
「褒めてはないから。」
ピシャン、と言い放つと、葵くんは「ハイ」と素直に小さくなる。
ここで一気に流れを戻さないと、気付いたら葵くんのペース……なんてことになりかねない。
侮りがたし、天然たらしのピュア男子。
今後はもっと気を引き締めていかないとね。
「……で、先生。今日の練習は……」
気まずそうな葵くんがチラリと私の顔色を窺う。
その顔が完全に怒られた後の犬。
弱そう過ぎて引き締めたばかりの肩の力がズル、と抜けて、切り替えるために息を吐いた。



