君がいてくれて。

「あ〜…。これは台風が来るね。」
「え?台風?」
天気予報を見ながらそう呟いた紘くんに樹くんはそう聞いた。
最近天気が悪くなっているなとは思っていたけれどそういうことだったんだ…。
「結構、天候が荒れるみたいだし桜も流石にほとんど散っちゃうかもね…。」
「そんな…。」
「仕方ない…。天気はどうしようもできないし…。」
仕方ないのはわかっているけれど悲しいなっ…。
しっかり目に焼き付けておこうっ。
そう思って今日はみんなで窓から見える桜を眺めながらお話をする事にした。

「うわっ!雨降ってきた!」
樹くんはそう叫んで窓を閉めると私達の方を見た。
話し始めて30分ぐらいが経った頃、急に強い雨が降ってきて雲の動きが速くなったのが分かった。
「本当だ。」
「あ……。桜が散っちゃう……。」
強い風で左右に大きく揺れている桜の木を見つめて私がそう言うと樹くんは悲しい笑顔を浮かべて私の隣に座った。
「だね〜…。…また来年は3人で見に行こ?」
「うんっ……!」
紘くんは一緒に見に行けてないから来年は3人で見に行けたらいいなっ…。
樹くんと紘くんも顔を見合わせて頷いている。
「そういえば!桜の花言葉って2人とも知ってる?」
そう口を開いた樹くんに私達は首を振る。
花言葉なんて調べたことないな。
「例えばね…、山桜は『あなたに微笑む。』河津桜は『思いを託す。』っていう意味があるらしいよ!」
「初めて知ったな。品種によっても花言葉が違うんだね……。」
私も初めて知った……。
「2人も調べて見て!たくさんあって僕1人じゃ覚えきれなかったからさっ!」
「そうだね。調べるの面白そう。」
「うんっ!私も調べてみたい!」
その日は結局桜まみれの話になって、今年の桜とお別れの日でもあったけれど話の桜は満開になった日だった。