君がいてくれて。

「失礼します。優花ちゃん、気分はどう?」
窓の外をぼーっと眺めているとカーテンを開ける音がした。
振り向くと静かに微笑んでいる紘くんが立っていた。
「あ、紘くん...。来てくれたんだっ...。」
「樹の治療、順調みたいだよ。さっきすれ違った時に星川先生が言ってた。」
「そっか...!良かった...!」
樹くんの治療が始まって4日目。
1ヶ月前ぐらいまでは隣のベットには誰も居なくたって何も思わなかったのに、今では静かに感じた。
寂しい...。
ふっとそう思って自分でもびっくりした。
「樹が居ないとこの部屋静かだね。」
「うん。なんか変な感じする...。」
「そうだね。」
紘くんにもベットに座ってもらって窓の外を2人で眺める。
だんだん桜の木にも葉っぱが増えてきて夏が近づいて来るのを感じる。
これまでは時間が過ぎるのが遅かったのに2人と出会ってからは気づいたら1週間経っているぐらいの感覚になっていた。
「紘くん、毎日ここまで来てくれるの大変じゃない...?私、こもれびルームまで会いに行くよ...?」
「そんな、気にしないで。1階上がるだけなんだからすぐだよ。」
樹くんの治療が始まってから毎日来てくれている紘くん。
気を使わせてないかずっと心配していた。
「それより、樹がいなくて寂しいでしょ?」
「...うん。前は隣のベットに誰も居ないことが当たり前だったのに...。」
「僕たちまだ会って1ヶ月なのに3人でいることが普通になってるよね。なんか昔からの友達みたいな感じ。」
私は紘くんの言葉に2人が私にとって1ヶ月という短い期間で大きな存在になっていることに気づいた。
「大丈夫だよ。樹もあと3日で戻ってくるし、僕もなるべく優花ちゃんに会いに来るよ。あ、僕でよければなんだけど...。」
「嬉しいっ...!ありがとう...!」
あと3日で樹くんも帰ってくるし今も頑張ってるもんねっ...!私も耐えなきゃっ...!
「よしっ。樹が帰って来るまで2人で耐えよう。」
「うんっ。」
*結局そのあと3日間はずっとこもれびルームで寂しさを紛らわせながら過ごして耐えた2人でした。