『俺たちみたいな駆け出しのアイドルがromanceと合同ライブができるなんて夢のようだよね!』
透くんが明るく興奮気味にそう言うと、透くんと同じ歳の陸くんが同じような調子で口を開いた。
『夢みたいな話だよな!事務所はもちろん全然違うし、接点も繋がりもないんだけど、romance側からオファーされてさ!』
『これは俺たちを知ってもらうチャンスでもあるよな!』
陸くんにリーダーである瑛太くんも嬉しそうに頷いていた。
他メンバーの直哉くん、冬樹くんも同様だ。
みんなの嬉しそうな姿に、胸がじんわりと温まった。
LOVEはこのわちゃわちゃ感もかわいいのだ。
『と、言うわけで、3ヶ月後にはromanceと一緒に、大規模ライブをするから、みんな俺たちについて来てね!』
透くんの笑顔に私はキュンキュンしながらも、スマホをタップした。
『もちろん!』
コメントの海に、私のコメントがいつものように流れていく。
あぁ、きっとすごい倍率だろうけど、必ず勝って、絶対推しのライブに行くぞ!
わくわくする胸を抑えて、私は静かにまぶたを閉じた。
まぶたの裏には、私の一番星、透くんの笑顔が鮮明に浮かんでいた。



