推し変には、ご注意を。




私のLOVEファン歴はまだ、1ヶ月。
当然、LOVEのファーストライブには行けていない。
つまり今回のライブが初ライブなのだ。
キャパは大きければ大きいほど、入れる確率が上がるのでいい。
まあ、席によっては、推しの姿が小さくなってしまうのだが。

それでも、現地で推しと同じ時間を過ごすことに意味がある!



『おめでとう!!!!お祝儀!』



嬉しくて嬉しくて、私は舞い上がる想いをそのままに、サクッと1万円を投げた。

スマホの画面には、私と同じようなたくさんのお祝いコメントが流れている。



『ねねさん、ありがとう!LOVESのみんなも!みんなのおかげだよ!実は今回のライブは俺たちだけじゃないんだ!』



俺たちだけではない?

透くんの言葉に、スマホをタップしていた指が止まる。
コメントも同じように、一瞬だけ流れが緩くなる。



『なんと!あのromanceと合同ライブなんだ!』

「えぇー!!!!????」



明るい透くんの声に、私はまた叫んだ。
近所迷惑かもしれないが、どうしても抑えられない。

だから…、だからなのか!

そして私はすぐに理解した。

romanceと合同ライブだからLOVEでも1万人規模のライブができるのだ。
むしろ、romanceのライブなら1万人規模では足りないくらいだろう。

つまり、ライブ当日のチケットはとんでもない争奪戦になるということだ。