推し変には、ご注意を。





『好き〝だった〟。ファン〝だった〟。ぜーんぶ、過去形。ねねさんにとって、俺はもうねねさんの一番星じゃないんでしょ?』



そう、私は翡翠に嘘をついて怒らせた。
だから一生懸命弁明しようとしたけれど…。

急に思考が鈍くなって、どんどん意識が遠のいていって。



『俺をもう一度、一番星だと心から言えるように頑張ろうね、天音さん』



最後に翡翠にそう言われて、意識を手放したのだ。

何故、あの時急に意識を失ったのか。
何故、今目の前に翡翠がいるのか。
そしてここは一体、どこなのか。

何もわからない状況に、わけがわからなくなる。

そんな私の様子に気づいたのか、何も言えずただただ翡翠を見つめる私に、翡翠は柔らかく笑った。
いつも見てきた翡翠の笑顔。それなのに、どこか仄暗いと感じてしまうのは気のせいなのか。



「天音さん、一つずつ説明するね。まず天音さんはあの時、急に寝ちゃったんだよ。よっぽど疲れてたんだね。だから俺の家に連れて帰ってきたんだ」

「…え」



翡翠に丁寧に説明されても、状況がうまく飲み込めない。

あの場で急に寝てしまったなんてあり得ないし、仮に寝てしまったとしても、翡翠の家に連れて帰る意味がわからない。