推し変には、ご注意を。



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ねねさんが…いや、天音さんが俺の目の前で、椅子に座り、すやすやと眠っている。
どうやらコーヒーに入れておいた睡眠薬がよく効いているようだ。

あまりにもよく眠っており、カクンッと落ちそうになった首に、俺は慌てて天音さんの側へと駆け寄った。

天音さんの膝裏に手を伸ばし、そっと抱き上げる。
それからそこにあったソファにゆっくりと寝かした。

ああ、今、あの天音さんが俺のところにいる。
俺の目を見て、俺の声を聞いて、花のように笑ってくれた。
そこには以前のような、愛はなく、狂いそうになったけれど。

だけど、大丈夫。
元々天音さんは俺が大好きだった。
頑張れば、俺だけを見れば、俺だけを好きになれる。
また前のように俺だけを、一番星にしてくれる。

天音さんを囚えるために、俺はいろいろなことをした。

体調を戻して、まずは復帰をした。
それからマネージャー、社員、メンバーが見るあらゆるところに天音さんの今の一番星がいるアイドルグループ〝LOVE〟の情報を散りばめた。

そうして、みんなの関心が高まったところで、俺は言った。



「LOVEって最近、勢いあるし、頑張ってるよね。なんか昔の俺らみたい。応援したくない?」



俺の言葉に、全員が「確かに」と頷いた。
そこからは簡単だ。

LOVEを応援したい、という気持ちを利用し、合同ライブを開けるようにした。
さらに天音さんと接触できるように、日頃の感謝をファンに伝えようとか言って、プレミアムな交流会の開催を決めた。