〝ねね〟をフォローするために、SNSに俺名義でないアカウントを作った。
そこで知ったのだが、〝ねね〟には鍵がついている日常アカもあった。
翡翠ファンとして、〝ねね〟と仲良くなり、俺は日常アカも見れるようになった。
〝ねね〟も、日常アカである〝天音〟も、毎日俺への愛を言葉にしてくれた。
今にも崩れそうだった俺を、もう一度立たせ、支えてくれたのは、彼女の言葉だった。
ーーー彼女は俺の神様だ。
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デビュー前、最初にして最後の握手会が始まった。
ここがファンに自分を直接アピールする、最後の機会になる。
長机がズラリと置かれたそこには、俺以外にも、サバ番参加メンバーが並び立っていた。
「翡翠くん、ずっと応援してました!最後も駆け抜けて!絶対デビューしようね!」
「うん、ありがとう」
頬を赤く染め、明るく笑うファンと握手をしながら、30秒目を合わせて話す。
こんな機会は初めてで、俺はずっと緊張していた。
ここで何か粗相を起こしてはいけない。
下手したら、デビューに響く。
ファンを1人でも笑顔に、幸せにして、今までの恩を返すのだ。
その心づもりで、愛を振り撒くのだ。
ここには俺の神様も来ているのだから。



