推し変には、ご注意を。



ファンの存在が、俺を強くする。
辛い時、苦しい時に、あともう少しだけ、と踏ん張れる。

そんなファンの声が聞きたくて、気がつけば、俺はSNSでエゴサをすることが習慣になっていた。

SNSには、俺を応援する声で溢れている。



『夢島翡翠くん、かっこよくない?顔面が国宝』

『ダンスも歌も素人とは思えない!』

『骨格優勝!華がある!』



どの言葉も俺に力を与えてくれるものだ。
俺はその中で、あるアカウントを見つけた。



『翡翠は私の一番星』



そうシンプルに書かれたプロフィールの言葉。
そのアカウントは〝ねね〟と言い、毎日のように俺についてコメントをしていた。
さらに番組放送時はリアルタイムで言葉を流し、たくさんの俺への愛を語っていた。



『ひたむきに努力を重ねる姿が素敵だった。特にあの難しいステップに挑んだ場面は鳥肌もの』

『逃げない翡翠は誰よりもかっこいいけれど、たまには力を抜いて欲しい』

『待って!今の表情は天才すぎない!?ここ!』



〝ねね〟の言葉はどれも暖かい。
時には俺の背中を押し、時には俺を励ましてくれる。

たくさんのアカウントが俺を応援していたが、〝ねね〟の言葉はその中でも、目を引くアカウントのひとつだった。