夢のような時間はあっという間に終わり、今度は幻のひとときがやって来た。
そう、1万人の中からたった10人しか選ばれない幻の交流券を使う時が来たのだ。
私はLOVEのメンバーの中からもちろん透くんを選び、透くんと個室でテーブル越しにお話をしていた。
交流時間はなんと5分もある為、テーブル上には飲み物やお菓子まで用意されており、椅子まである。
立ちっぱなしにならないようにとの、運営からの配慮なのだろう。
素晴らしい運営だ。
「透くん、今日もかっこよかった!ダンスまた上手くなったよね?あのステップのところとか、圧巻だったよ!」
透くんに手を握られたまま、とにかく熱くライブの感想を述べる。
私の言葉を聞くたびに、透くんは照れくさそうに笑ったり、嬉しそうにはにかんだりしていた。
「…ねねさんのおかげだよ。ライブ配信も、地方のイベントも、握手会も、ここ1ヶ月なんでも来てくれて、ずっと背中押してくれて。感謝してもしきれないよ」
キラキラとした眼差しで私を見つめる透くんに、ズキューン!と心臓が撃ち抜かれる。
まさに、沼である。
一度ハマったらもう戻れない。
やはり、透くんは素晴らしい存在だ。
「私、これからも透くんを推すよ!私の一番星は透くんだから!」
私はそう言って、笑顔で透くんの手を握り返した。



