10 Billion Game


「はぁー…」

ポシェットをベッドに放り出してベッドに腰かける。

チェストの上に置かれていたリモコンでテレビをつけると、至って普通で、私も見たことがあるニュース番組が流れてきた。

政治家の汚職事件、芸能人のスキャンダル、天気の話題など、怖いくらい普通だ。

「政治家の○○氏が、株式会社△△に巨額の支援金を…」

ニュースを聞き流しながら、シャワーを浴びようとベッドから立ち上がる。

洗面台の鏡に映る私の顔は、いつも通り何も変わらない。

洗面台の引き出しを開けて、シャンプーやら何やらを取り出そうとして、唖然とした。

「シャンプーは?」

他の引き出しも確認したけど、シャンプー類は見当たらない。

その代わりに、1枚の白いタオルだけが引き出しに突っ込まれていた。これじゃあ、お風呂に入れない。

シャワーに入るのをあきらめた私は、ベッドに置いていたポシェットを開けてスマホを取り出した。

園村さんがGMに連絡を取っていたのを思い出し、私は電話の絵が描かれたアイコンをタップして『大宮結愛』の4文字をタップする。

スマホに耳を押し当てると、3コールで『あ、唯?』と結愛の声がした。

「もしもし。さっきシャワー浴びようとしたらタオルしかないんだけど、私だけ?」

『ううん。私の部屋もタオルしかなかった』

「今日疲れたから、さすがにお風呂入りたいのに」

『わかる。あ、今から希亜ちゃんと一緒に売店行くけど、唯も来る?』

「行きたい。」

『じゃあ、エレベーターホールで待ってるね』

「はーい。」

耳に押し当てていたスマホを手元に戻し、私は赤色の『切断』ボタンをタップした。