高橋鈴香の愛し方

「すず、か…?」

ボスッと、手に持っていたカバンが床に落ちる。

「どうしたのぉ。ただ天音くんの机に、あたしの気持ちを書いてただけだけど?」

あっけからんとそう言ったのは、親友の高橋鈴香。


私– –沢村このみは、長引いた委員会終わり、教室に忘れ物を取りに戻った。

すると– –鈴香が、クラスメイトのモテ男子・白鳥天くんの机に、カッターで〝アイシテル〟と何度も何度も書いている現場に立ち会ってしまったのだ。

鈴香は天音くんに片思いをしている。

でもまさか、こんなことをしていたなんて– –!


「あーあ、残念。このみならあたしのこと、分かってくれると思ってたのに〜。でもさ– –別にいいでしょっ?」

そう言って、ふふっと笑った鈴香。

そして立ち上がると、カッターの刃ををペロリ、と舐めた。



「これは、あたしの天音くんへの愛情表現なの。それに、こんなんじゃまだまだ生ぬるいから」

そう言った鈴香は、愛おしそうに天音くんの机を撫でた。

数え切れないほどの〝アイシテル〟の文字がいれられた、その机を– –




「ふふっ…天音くんと両思いになるためだったら、あたしは手段を選ばない。なんだってするからね。だから待ってて– –あたしの旦那さんっ♡」