だからアナタに殺されたい。




チクリと腕に小さな痛みが走る。
それからゆっくりと、視界が狭くなり始めた。

…鎮静薬だ。

薄れゆく意識の中で、自分に何が起きたのかなんとなく理解する。



「これはもう…」

「至急ご両親にご連絡を」



最後に私に届いた声は、職員たちの最終通告のような静かな声だった。



*****



ゆっくりと意識が覚醒する。
背中に感じる冷たい感触に、手足の自由を奪われている感覚。
はっきりとし始めた視界に、私は言葉を失った。
ここが先ほどまでいた部屋と全く違う場所だったからだ。

窓もなく、薄暗い鉄格子の中で、私は立ったまま壁に両手両足を鉄枷で拘束されていた。
口にはさるぐつわまであり、言葉を発することさえもできない。
まるで手に負えないバケモノを捕らえているかのようだ。

だが、そんなことどうでもよかった。
私は今、喉が渇いて渇いて仕方がないのだ。
この渇きを、飢えを、満たさなければならない。
そうしなければおかしくなってしまう。