だからアナタに殺されたい。





「鍛錬で怪我を?」

「…」



伺うようにローゼルを見れば、ローゼルが私に静かに頷く。
美しいが変わらぬ表情はやはり、私に〝冷たい〟という印象を与えた。



「少ししみるけど我慢してね」

「…」



無言を貫くローゼルの左腕に、そっと殺菌効果のある薬を振りかける。
私とは違う天才騎士様らしい腕に、必要な処置をしていると、大きな傷の近くに小さな黒いシミを見つけた。

このシミは…。

見たことのあるシミに思考を巡らせる。
答えを探すこと、数秒。

ローゼルの腕にあるシミの正体に私は辿りついた。



「ねぇ、アナタ、1週間ほど前に毒にやられてない?」

「…」



私の質問に、ローゼルの綺麗な眉が一瞬だけピクリと動く。
だが、それはほんの一瞬で、ローゼルは何でもない顔で、淡々と言った。