だからアナタに殺されたい。




先ほどエレノアの母親は、確かにエレノアは休んでいると言っていた。
それなのにここには誰かがいた痕跡さえもない。

状況をなんとか把握しようと、ゆっくりと辺りを見渡す。
小さな棚の上に置かれた花瓶には、花も水もない。
机の上に並べられていたノートや本も綺麗さっぱりなくなっている。
見れば見るほど、ここには以前訪れた時のような生活感がなかった。

帝都から姿を消したエレノア。
ここ1ヶ月、エレノアを見た者は誰もおらず、全くないエレノアの目撃情報に、まるでこの街から消えたかのようだった。

…エレノアはもう帝都にはいないのか?

そんな考えが頭をよぎったところで、扉の向こうから複数人の足音が聞こえてきた。
その足音に、俺は素早く窓から外へと出た。

慌てることなく淡々と、ここに俺がいたことがバレないように、ゆっくりと窓を閉める。
ちょうどそのタイミングで、2人の人物がエレノアの寝室に現れた。