エレノアの寝室は南側の奥の部屋だ。
見えてきた窓に、胸がどんどん高鳴っていく。
あそこに今度こそ、エレノアがいる。
やっと会える。
まずはコンコンッと窓を軽くノックしたが、眠っているのか返事はない。
なので、今度は窓に手をかけ、開けようとしてみた。
だが、もちろん施錠されていた為、騎士団で身につけたピッキングで鍵を開けた。
開いた窓に足をかけ、そっとエレノアの寝室へと侵入する。
小さな木造の部屋には、懐かしいエレノアの甘い香りがいっぱい広がっていた。
寝ているエレノアを起こさないよう、ゆっくりと歩みを進める。
それからベッドへと視線を向けると、俺は言葉を失った。
ーーーそこにいるはずのエレノアがいなかったからだ。
エレノアが寝ているはずのベッドはとても綺麗に整理されており、まるで何週間も誰も使っていないようだった。
「…エレノア?」
この状況に、思わずエレノアの名前を呼ぶ。
何故、ここにエレノアがいないのか。



