だからアナタに殺されたい。





「…俺、なんでローゼルがあんなことをしたのか知っているんです。たまたま近くを通りかかって…」

「え」



マックスから出た言葉に、手が止まる。

マックスはローゼルが言わなかった事情を知っているの?

次の言葉が気になり、私はマックスをまっすぐと見つめた。
マックスの黒色の瞳が、辛そうに、悔しそうに揺れている。



「口にするのもはばかられる言葉をアイツらは口にしていたんです。ローゼルはそれに怒って反撃したんです」



マックスは眉間にシワを寄せ、「だからローゼルは何も悪くありません」と視線を伏せた。

彼の説明に私は、やっぱり、と腑に落ちた。

あの日のローゼルの瞳には、確かに見たことのない怒りがあった。
何かに怒りを覚えていたことは明白で、その怒りの原因はなんなのか、とずっと思っていたのだ。