比較的新しい騎士服は治療の過程で仲良くなった騎士からもらった。
パンは調理室のコックたちの仕事を手伝う条件で、多く作ってもらい、持ってきた。
これでローゼルは明日もピカピカの騎士服を着て、ご飯もしっかり食べ、第一騎士団の騎士として恥じない姿で働ける。
「怪我も毒も隠さないでね?私が全部治すから」
「…はい、エレノア」
じっと言い聞かせるようにローゼルの瞳を覗けば、ローゼルは珍しく柔らかい表情を作った。
こういう表情を見ると、やはり猫だな、て思う。
距離は取るけれど、たまにだけ近い距離にいることを許してくれる。
猫のような騎士様。
彼の生活が少しでもよくなり、彼の心が少しでも穏やかになりますよに。
世間話も雑談もすることなく、「では」と冷たく言い放ち去っていく背中に、私はそう願わずにはいられなかった。



