だからアナタに殺されたい。




第一騎士団は高貴な血筋のエリート集団であり、プライドも高い。
ローゼルのような隙のない完璧な騎士に、どうしても黙っていられなかったのだろう。

ローゼルに毒を盛り、真剣で鍛錬をさせたり、備品を全て劣悪なものに変えたり、食事量を限界まで減らしたり…と、彼らは非常に悪質で最低なことをローゼルに繰り返しているようだった。

だが、私を始め、そんなローゼルに対して思うところがあっても、誰も第一騎士団には何も言えなかった。
彼らは私たち庶民よりも圧倒的に高い地位にいる貴族だからだ。

それでもローゼルのことがどうしても放っておけず、私は毎日のように彼に世話を焼いていた。

大きな袋を肩にかけ、皇宮内を歩きながらローゼルの姿を探す。
鍛錬場にも、食堂にも、広間にも彼の姿はなかった。
あとは一体どこを探せば彼に会えるのだろうか。

そう思っていると、やっと廊下でローゼルの背中を見つけた。



「ローゼル!」



窓から射す夕日をまるでスポットライトように浴び、キラキラと輝く存在に明るく声をかける。
私に呼ばれたローゼルはゆったりとした動きで、こちらに振り向いた。



「エレノア」



私の姿を見て、無表情のままローゼルがそう呟く。
最初の頃のローゼルなら、迷惑そうな顔をしていただろうが、今のローゼルにはそれがなかった。
相変わらず無表情なので、何を考えているのかわからない冷たさは健在だが。