バイト君はスマホを取り出した。
「連絡先教えてください。明日また会いましょう」
どういうこと?
なんなの?
「明日ちゃんとしますから」
何を?
「……わかったよ、連絡先くらいなら交換してあげるよ」
折れてしまった。
「ありがとうございます。待ち合わせについてまた連絡します」
「う、うん」
何が起こるんだいったい!
「名前教えてください」
「……川崎七海だよ」
バイト君はスマホに入力している。
「あの……君の名前は?」
流石にバイト君とは呼べない。
「林勇凛です」
勇凛君か……。
「じゃあ、明日私早いからもう帰るね」
「家まで送りますよ」
「いや、いいって!君も早く帰りな」
私はそのあと全速力で走った。
地下鉄の駅に向かって。
あんな冗談か本気かわからない言葉に動揺して、三十路社畜女が情けない。
しっかりしろ私!
地下鉄の改札を出て、ホームに降りて、来た電車に飛び乗った。
真っ暗な地下鉄の窓の外。
地上に出た時に、月が見えた。
丸い月。
満月だろうか。
その時、スマホに通知がきた。
『勇凛です。突然驚かせてすみませんでした。でも俺は本気です。明日また話しましょう』
どうしよう……。
満月を見上げながら、彼の顔を思い出していた。
「連絡先教えてください。明日また会いましょう」
どういうこと?
なんなの?
「明日ちゃんとしますから」
何を?
「……わかったよ、連絡先くらいなら交換してあげるよ」
折れてしまった。
「ありがとうございます。待ち合わせについてまた連絡します」
「う、うん」
何が起こるんだいったい!
「名前教えてください」
「……川崎七海だよ」
バイト君はスマホに入力している。
「あの……君の名前は?」
流石にバイト君とは呼べない。
「林勇凛です」
勇凛君か……。
「じゃあ、明日私早いからもう帰るね」
「家まで送りますよ」
「いや、いいって!君も早く帰りな」
私はそのあと全速力で走った。
地下鉄の駅に向かって。
あんな冗談か本気かわからない言葉に動揺して、三十路社畜女が情けない。
しっかりしろ私!
地下鉄の改札を出て、ホームに降りて、来た電車に飛び乗った。
真っ暗な地下鉄の窓の外。
地上に出た時に、月が見えた。
丸い月。
満月だろうか。
その時、スマホに通知がきた。
『勇凛です。突然驚かせてすみませんでした。でも俺は本気です。明日また話しましょう』
どうしよう……。
満月を見上げながら、彼の顔を思い出していた。



