三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして

「何をですか?」

「私また役所に明日行って、婚姻届取り下げられないか聞こうと思って。」

勇凛くんの表情が固まる。

「七海さんはやめたいんですね」

俯く。

「私が酔った勢いで提出しちゃって、私が悪いの。勇凛くんが嫌とかいうわけじゃないの。事故みたいなのが嫌なの」

「婚姻届を持ってきたのは俺ですよ」

「でも……」

「俺は飲んでませんでした。俺はシラフであの時、真剣な気持ちで提出しましたよ」

胸が痛んだ。

「でも七海さんが嫌なら、いいですよ、取り消してください」

暫く重い沈黙が流れた。

「私自信ないんだ。毎日残業だし、私のこと知ったら勇凛くん幻滅するよ」

お一人様が当たり前。
人に迷惑をかけない人生。
プライベートまで人に気を使う余裕がない。

「いつも通りの七海さんでいいです。七海さんに迷惑かけません。家のことは俺が全部します」

勇凛くんが私の手をとった。

「俺と結婚してください」

勇凛くんの瞳は今まで一番まっすぐに輝いていた。