社畜女の愛され白書〜三十路の社畜OLは出会った翌日に八才年下男子と結婚しました〜

デイルームは閑散としていた。

そこに勇凛くんが買ってきた人生ゲームを広げる。

「懐かしい。昔家族でやってたな」

「七海さんは兄弟いるんですか?」

「姉がいるよ。勇凛くんは?」

「兄が二人います」

「へー勇凛くんのお兄さんたち、気になるなぁ。見てみたい。かっこいいんだろうな」

勇凛くんの手が止まった。

「兄の方が気になりますか?」

寂しげな瞳。

「いや、兄弟だから似てるのかなって。特に深い意味はないよ」

「よかったです」

優しく微笑む。

勇凛くんは、黄色のコマを取った。

私は白いコマ。

スタート地点に2人で置く。

「七海さんからどうぞ」

「いや、勝負はフェアでいこう」

私と勇凛くんは、それぞれルーレットを回した。

大きい数の方が先に出発。

「俺が先ですね。じゃあお先に」

勇凛くんはコマを進めてマスに置いた。

「落とし物を拾って一万ドル……」

勇凛くんの資産が増える。

「じゃあ次私ね」

コマを進めてマスに止まる。

「……え、スタートに戻る!?」

私は振り出しに。

勇凛くんが回す。

「警察官になりました」

「勇凛くんに向いてる!」

「本当ですか?」

「うん、正義感強そうだし」

「そんなことないですよ。でも嬉しいです」

少し照れた顔に、また母性本能がくすぐられる。

私がコマを回す。

「銀行員……」

「七海さんに向いてると思います。しっかりしてそうなので」

「いや、そんなことないよ……」

仕事のことを思い出した。

退院したらあの生活が戻ってくる。

「七海さんはどんな仕事してるんですか?」

「システムエンジニアだよ」

「かっこいいですね」

「そうでもないよ。不具合の修正が多いし」

次に勇凛くんがコマを進める。

あるマスで止まる。