《2025年の記憶がリセットされました。》

『2025年の記憶はリセットされました。』


ーーーチクタク、チクタク

時計の針が動く。

《00時00分》

2026年。ーーー

チチチチ...

ジリリリリ~~~


朝の5時。

セットされた時間に目覚まし時計が部屋中に響きわたる。


「...」

...・・・

・・・んっ?!

「...」


あれ?!2025年の記憶が...ない!

まぁ...そんな、焦ることじゃないんだけどね。


記憶が消えて今はほっとしている。

だって、運命じゃない恋愛、元カレ元カノの事なんて想い出したくもないし、職場で喧嘩したことさえ記憶から消えて精々している。


今日から202✕年!

清々しい気持ちで年を越せるなんて!


茶の間。

「おはよー」

「んー」


もちろん、親の記憶は消されていない。

それは、一安心。

「...・・・あれ?」

「どうしたー」

「え!」

「ん?」

「ここって...家だよね?」

「そうだよ。どうして?」

「いや、豪華...だから」

「そお?普通だけど。あ、そうそう。夕貴(ゆき)魔法界ってところから手紙が来てるけど」

「え...」

「はい」


私は、その手紙を受け取った。

そこには、《宮島 夕貴》と書いている。

その内容は...

《やぁ、宮島夕貴くん。お会いしたかったよ!君の能力がようやく魔法界で認められたから此処に手紙と言う形でメッセージを送ってるよ。準備が整い次第、文字の最後の言葉を唱えよ》

と、それだけが書かれていた。

まぁ、取り敢えず...朝食を食べることにした。


7時40分。

準備が、整い言葉を言う。

『僕をあるとこに迎えよ』


するとーーー

無数の光?白い紙?が私を包む。

「ーーーっ!」







「ーーー...」

ゆっくりと目を開くとそこには、草原が広がり目の前には白いお城が経っていた。


「ーーーようこそ、我輩学園へ。宮島くん」



私の目の前、清らかな正装の服をきたイケメンが立っていた。



「宮島くんは、新しい自分になれたから今此処に呼ぶことができたんだよ。おめでとう。あんな、汚ならしい世界には居てはいけない。だから、ここに連れてきたんだ」

「...もしかして、私を見てた人?」

「そうだよ。さぁ、行こう新しい時を刻むのだ」


私はその手を取ったーーー



これから、始まる新たな世界。

202✕年。


貴方は、何を望む?


私はーーー嫌なことの記憶を消す。そして、良い想いでだけを持ち続ける。

それこそが、《私》を生きる道だから。