王らは話し合い、第一王子の立太子と同時に第二王子の婿入りを発表しようと秘密裏にオリヴァーの婿入り先を探し始めた。徐々に第一王子の露出を増やしながら、『第二王子は大恋愛の末本人の強い希望により名家に婿入り』と、そう物語を作り上げようと決めたのだ。
名家の当てはひとつある。ファルケンシュタイン公爵家だ。王らは狙いを定め、さてどうやって周囲から怪しまれずにオリヴァーを公爵家の令嬢と交流させるか、と策を練り始めた。その時たまたまオリヴァーの飼い犬が子を産んで、それを聞いた公爵が狙われているとも知らず、世間話ついでに「娘が犬を飼いたがっていて、そろそろ可愛い子犬を探してやろうと思っているのです」なんて言い出した。口実が向こうの方からのこのことやってきたのだ。
王とオリヴァーはたいそういい笑顔で、思惑に公爵を巻き込んだ。話を聞いた公爵が出した条件はひとつ、『娘には純粋に犬と触れ合って欲しい。そのため娘にも使用人にも、王子の件を伏せること』オリヴァーは喜んで同意し、彼からもひとつ希望を出す。『子犬とルイーゼの相性が悪ければ、子犬を譲るのはやめ別の方法を考えること』——そうしてルイーゼに秘されたまま、ルイーゼとオリヴァーと子犬、三者の顔合わせが始まる——


