幸運を運ぶ犬




 そんな日々を、幾日も。

 いつものように庭で遊んでいると、フリンクが急に顔を上げ、嬉しそうに駆け出した。オリヴァー様がいらっしゃったのだわ、と頬を緩め、ルイーゼはフリンクの後を追う。

 フリンクはまだ子犬だが、体はずいぶんと大きくなってきた。とても追いつくことはできないけれど、鳴き声を追えば笑う彼がいる。

 少し走れば、案の定垣根の向こうからフリンクの嬉しそうな鳴き声と、オリヴァーの笑い声が聞こえた。立ち止まり息を整え、スカートの裾を整えてルイーゼは垣根から顔を覗かせる。

 片膝をついてフリンクを撫でていたオリヴァーが、興奮しきったフリンクに飛びかかられて尻もちをつく。フリンクはぶんぶんとしっぽを振って、押し倒さんばかりの勢いで乗しかかり、オリヴァーの顔を舐め回した。

「こら、分かったから、少し落ち着いて」

 笑いながらオリヴァーがささやく。その優しい眼差しが、柔らかな声が。甘く甘く胸に響いて——ルイーゼは高鳴る鼓動に恋心を自覚した。自分ももっと彼と距離を詰められたらいいのに、と。ルイーゼと、フリンクと、オリヴァー。こうしてずっと一緒に過ごせたらいいのにと——