鈍感な私は愛されヒロインです!?

 ——ピピピピッ。

 枕元の目覚ましが鳴って、私は反射的に手を伸ばした。
 音を止めて、天井を見上げる。

「……あ」

 一瞬、何の日か思い出せなくて、数秒してからはっとする。

「学園祭だ……」

 そう思った途端、眠気が一気に引いた。
 ベッドから起き上がり、カーテンを開けると、朝の光が部屋いっぱいに広がる。

 今日は、いつもより少しだけ早い朝。

 制服に着替えながら、鏡の前でリボンを結び直す。
 何度かやり直して、ようやく納得のいく形になった。

「……別に、いつもと同じなのに」

 そう言いながらも、落ち着かない。

 髪を整えて、カバンの中身を確認して、忘れ物がないか何度も見直す。

 ——なんでこんなにそわそわしてるんだろ。

 理由はよくわからない。
 ただ、今日は特別な一日になる、そんな予感だけがあった。

 朝ごはんを済ませ、玄関で靴を履く。
 ドアを開ける前に、無意識に深呼吸をひとつ。

「……行ってきます」

 外に出ると、少しひんやりした空気が頬に触れた。
 でも、胸の奥は不思議とあたたかい。

 通学路を歩きながら、昨日のことを思い出す。

 今日は学園祭。それだけでみんなテンションが高いんだと思う。