鈍感な私は愛されヒロインです!?

 私はまだ完全には意味を理解できないけど、胸が少しドキドキするのを感じた。
「そっか……まあ、楽しみにしてるね」私は笑顔で返す。

 黒崎くんは照れくさそうに目をそらし、でも小さくうなずいた。

 その後も二人で机を運びながら、時折、黒崎くんがちらりとこちらを見ては、言葉に詰まりながら小さな声で何かつぶやく。

 このいつも通りの会話の中で、なんとなく今日は少し違う空気を感じていた。

 黒崎くんと机を運び終えると、次は壁の飾り付けをすることになった。

「桜庭、上の方、手伝ってくれ」黒崎くんが梯子の下で指示する。
「わかった」私は笑顔で梯子をのぼり、黒崎くんと息を合わせて飾りを貼っていく。

 蒼くんは、私のそばで旗を持ちながら元気よく声をかける。
「桜庭先輩、これどうやって固定したらいいですか?」
「うーん、ここをこうやると安定すると思う」私は自然に答え、彼もにっこり笑った。

 月城くんは少し離れた場所で、黙々とテーブルの配置を直している。
「桜庭、こっちの向きでいい?」
「うん、こっちの方が広く見えるね」私は返しながら、微笑む。

 瀬名くんは、飾りの紐を絡めながら、私の作業をチラチラ見ている。
「ひより、もっと手伝わせろよ」
「うん、ありがとう!」私は元気に答えた。
 瀬名くんは、少しふざけながら、にこにこしている。

私は笑って答えるだけで、男子たちの焦りや意識の変化にはまだ気づかない。