鈍感な私は愛されヒロインです!?

 休憩時間になり、みんなで水分補給。
 蒼くんがにこにこしながらペットボトルを差し出す。
「桜庭先輩、水飲む?」
「ありがとう、蒼くん」私は素直に受け取る。

 男子たちの表情は少し硬いけど、私はそのことに全く気づけなかった。


 午後も飾り付けを続けていた。
 机を移動させるため、黒崎くんと二人で運ぶことになった。

「おい、桜庭、この机、重くないか?」黒崎くんが少し息を切らしながら言う。
「うん、ちょっと重いね……でも、一緒に持てば大夫」私は笑顔で答え、彼とタイミングを合わせて机を持ち上げる。

廊下を進みながら、黒崎くんは何度もチラッと私を見て、口を開きかけてはやめる。
「……あ、えっと……学園祭の日、俺、頑張るから……」

「え、頑張る?」私は聞き返す。

黒崎くんは一瞬言葉に詰まり、眉をひそめて小さく息をついた。
「……そ、そうだ。だから……その……他の奴らに取られたくないんだよ」
手の位置を少しぎこちなく変え、少し焦った様子で言う。