鈍感な私は愛されヒロインです!?

 教室を出ると、廊下は夕日のオレンジ色に染まっていた。
 窓から漏れる光が、今日一日の終わりを知らせているみたいだった。

「今日は、少し早く帰る?」

 瀬名くんが、軽く声をかけてくる。
 その声を聞くだけで、なんだかほっとする。

「うん、ちょっとだけね」

 答えると、瀬名くんはにやっと笑いながら歩調を合わせてくれた。
 黒崎くんは私の少し後ろを歩き、無言だけど視線はチラチラとこちらを見ている。
 やっぱり、無言のままでも何か伝わるものがある。

 月城くんは少し離れた場所を歩きながら、落ち着いた表情で私を見守っている。
 その距離感が、なぜか安心できる。

 廊下を曲がると、生徒会長の神楽坂悠馬が立っていた。
 彼は私たちの存在に気づくと、静かに近づいてくる。

「桜庭さん、少し時間ありますか」

 今日一日の出来事を見ていたんだろうな、と直感で分かる。

「はい、大丈夫です」

 少しだけ緊張しながら答えると、会長は柔らかく頷いた。
 目線は静かに私に向けられ、その余裕のある佇まいに、思わず息を飲む。

「さっきの移動教室の件ですが、問題はありませんでしたね」

 私が頷くと、会長はわずかに微笑んだ