鈍感な私は愛されヒロインです!?

「でもさ」

 少し声を落として、

「ひよりちゃん、最近いろんな人に絡まれてるでしょ」

「そうかな」

「そうだよ」

 即答だった。

「自覚ないの、ほんと罪」

「なにそれ」

「そのまんま」

 冗談っぽく言いながら、でも視線は真剣で。

「ま、俺は気楽にいくけどさ」

「気楽?」

「うん。重いのは黒崎担当」

「失礼すぎる」

 二人で小さく笑った、そのとき。

 ふと、視線を感じて顔を上げる。

 ――窓際。

 黒崎くんと、目が合った。

 一瞬だけ。

 すぐに逸らされたけど、
 その表情は、昨日よりもずっと硬かった。

 瀬名くんは気づいていない。

 でも私は、なぜか胸の奥が少しだけざわついた。