鈍感な私は愛されヒロインです!?

 放課後。

「桜庭、ちょっと生徒会室行ってきて」

 担任にそう言われて、首をかしげた。

「生徒会室?」

「会長が話あるって」

「……私に?」

 理由はよく分からない。

 生徒会室の扉をノックすると、

「どうぞ」

 落ち着いた声が返ってきた。

 中に入ると、机に向かっていた神楽坂会長が顔を上げる。

「桜庭さん」

 名前を呼ばれて、背筋が伸びる。

「久しぶり」

「お久しぶりです」

 前に蒼くんの件で顔を合わせた程度。
 ちゃんと話すのは、これが初めてだった。

「座って」

 指示は柔らかいのに、自然と従ってしまう。

「急に呼んでごめん」

「いえ」

「君のクラスの件で、少し確認したいことがあって」

 そう言われて、ようやく納得する。

 問題児クラス。
 何かあっても、おかしくはない。

「最近、何か困ってることはある?」

「いえ、特には」

「そう」

 少しだけ、考える間。

「桐谷のことは、どう?」

 一瞬、言葉に詰まる。

「どう、って……」

「責めてるわけじゃない」

 すぐに付け足される。

「彼、真面目だから」

「……はい」

「君が話を聞いてくれてるのは、助かってる」

 その言い方が、少しだけ引っかかった。