鈍感な私は愛されヒロインです!?

放課後、教室は少しずつ静かになっていった。

黒崎くんは荷物をまとめながら、時折机の角にぶつけて小さくため息をついた。
「……大丈夫?」
私はそっと手を伸ばして荷物を支える。
「うん、大丈夫だ」
黒崎くんは少し照れくさそうに頭をかき、息をついた。
「……ありがとな」


月城くんは淡々と教室を片付けながら、ちらりと私を見る。
「……手伝わなくていいのに」

「でも、手伝った方が早いでしょ?」
私は微笑みながら言う。

瀬名くんが隣でにやりと笑った。
「ひより、さっそく俺たちをまとめる気か?」

「まとめるって……そんな大げさな」
私は笑いながら、教室を後にした。

廊下に出ると、夕日が校舎を赤く染めている。
教室の中で聞いた笑い声や小さな騒動を思い返しながら、
少しだけ、居心地の良さを感じる。

ふと黒崎くんの顔を思い出す。
怖そうに見えて、でもちょっと照れると素直になる。
月城くんはあいかわらずクールだけど、時折見せる表情が面白い。
瀬名くんは……いつも自由で、予想できない。

「……このクラス、悪くないかも」
私は小さくつぶやき、学校をでた。

明日も、また騒がしい一日が待ってる。
でも少しだけ、楽しみになった。