鈍感な私は愛されヒロインです!?

「今回の件は、ここで一区切りにする」

 そう言って、立ち上がる。

「ただし」

 一拍置いて、続ける。

「学校は、人が多い分、誤解も生まれやすい」

「だからこそ、今日みたいな“声”が必要になる」

 桐谷くんを見る。

「これからも、間違っていると思ったら、ちゃんと口にしていい」

 桐谷くんは、強く頷いた。

「はい」

 生徒会室を出ると、廊下には夕方の光が広がっていた。

「……すごいですね、会長」

 桐谷くんが、ぽつりと言う。

「怒られると思ってました」

「私も」

 思わず笑ってしまう。

「でも、ちゃんと話を聞いてくれる人だったね」

「はい」

 それから、少し間を置いて。

「桜庭先輩」

「なに?」

「これからも……分からないことあったら、聞いてもいいですか」

 不安と期待が混ざった表情。

「もちろん」
「いつでも」

 その答えに、桐谷くんはほっとしたように笑った。