鈍感な私は愛されヒロインです!?

 残された私たちは、しばらく何も言えなかった。

「……ああいう時、どうするのが正解なんだろ」

 私がぽつりと言うと、瀬名くんは少し考えてから言った。

「正解なんてないよ」

 それから、いつもの少し軽い声に戻る。

「でもさ、放っとくのが一番ダメな気はする」

 月城くんは何も言わず、静かにお弁当を片付け始めた。
 でも、その横顔は、さっきより少しだけ険しかった。

 昼休みなのに、全然休んだ気がしない。

 このままじゃ、絶対に何か起きる。

 そんな予感だけが、はっきり残っていた。



 午後の授業は、昼休みよりもさらに集中できなかった。

 黒崎くんは結局、五時間目の途中で戻ってきたけど、誰とも目を合わせなかった。
 席に座ると、机に突っ伏すでもなく、ただ前を見ている。

 先生も、あえて何も言わなかった。

 それが余計に、教室の空気を重くしている気がした。

 チャイムが鳴って、六時間目が終わる。