鈍感な私は愛されヒロインです!?

午前の授業が終わると、教室の空気が一気にゆるんだ。

「昼だー!」

「腹減った!」

 あちこちからそんな声が上がる。
 私はお弁当箱を取り出して、机の上に置いた。

 ふたを開けた瞬間。

「うわ、今日もちゃんとしてる」

 向かいの席に、いつの間にか瀬名くんが座っていた。

「……いつ来たの?」

「今」

「絶対さっきじゃない」

「細かいこと気にしないタイプでしょ、ひより」

「そういう問題じゃない」

 中身を覗き込まれて、少しだけ机を引く。

「なに?」

「いや、量少なくない?」

「普通だと思うけど」

「俺だったら秒でなくなる」

「瀬名くん基準で言わないで」

 箸を取ると、瀬名くんは楽しそうに私のお弁当を眺めている。

「それ自分で作ってるの?」

「うん」

「へぇ。意外」

「またそれ」

「だってさ、もっと適当かと思ってた」

「失礼すぎない?」

「褒めてる褒めてる」


 周りではクラスメイトたちが騒ぎながら食べていて、完全に二人きりというわけじゃない。でも、瀬名くんは自然にここにいる。