鈍感な私は愛されヒロインです!?

保健室は静かで、少しひんやりしていた。
先生がいなくて、月城くんが棚から救急セットを出してくる。

「座って」

言われるままベッドに腰掛けると、月城くんがしゃがんで包帯を用意する。

「え、月城くんがやるの?」

「保健委員、前やってた」

「意外……」

そう言うと、ほんの一瞬だけ、口元が緩んだ気がした。

「ちょっと冷たいぞ」

そう言って、湿布を当てられる。
指が足首に触れて、心臓が変な音を立てる。

「……痛かったら言え」

「う、うん」

近い。
集中してる横顔が、やけに真剣で。

「……さっき、楽しかった」

急に、そんなことを言われる。

「え?」

「バスケ。桜庭がちゃんと動いてて」

それは褒め言葉、だよね。

「ありがとう」

そう言うと、月城くんは視線を外して、包帯を巻き終える。

「しばらく無理するな」

「はーい」

返事をすると、月城くんは少しだけ安心した顔をした。