鈍感な私は愛されヒロインです!?

授業が終わって、チームのみんなで道具を片付け始めた頃。
正直、ほっとしてた。
体育、思ったより動いたし、楽しかったけど……ちょっとだけ無理した気がする。

「それ、こっちに置いといていいよ」

月城くんが、私の持っていたボールを自然に受け取る。
さっきまで試合してたときと同じ、落ち着いた動き。

「ありがとう。助かる」

そう言って一歩動いた瞬間、足に違和感が走った。
ほんの一瞬だったけど、思わずバランスを崩しそうになる。

「あ……」

声に出すほどじゃなかったはずなのに。

「……どうした?」

すぐ隣で、月城くんが足を止める。
その視線が、私の足元に落ちたのが分かった。

「え? な、なんでもないよ」

とっさにそう言ったけど、たぶん、誤魔化せてない。
自分でも分かるくらい、ちょっと動きがぎこちなかった。

「……さっき、転びかけたとき」

月城くんが、少しだけ言葉を選ぶみたいに間を置く。

「足、ひねってないか」

図星すぎて、思わず黙る。
別に大したことじゃない、って言おうとしたのに。

「……ちょっとだけ、かも」

そう答えた瞬間、月城くんは小さくため息をついた。
怒ってるわけじゃない。ただ、心配してる感じ。

「無理してたな」

「……そんなこと」

「顔に出てる」