鈍感な私は愛されヒロインです!?

 次の日、放課後の教室は、まだ片付けの音が響いていた。
 私も机を片付けながら、さっきまでの出来事を思い返す。

「……今日も、なんか変だったな」

 自然にそうつぶやき、窓の外を眺める。

 その瞬間、月城くんが隣に立った。

「桜庭、そんな顔してどうした?」
 彼の声はいつも通り穏やかだけど、どこか真剣さが混じっていた。

「え、別に……ただ、考え事」

 思わず視線を逸らす。
 でも、月城くんは私の視線を追って、そっと肩の高さまで近づく。

「……考え事か」
 小さく笑って、私の横で手を止めた。
 その距離の近さに、胸が少しドキドキする。

「桜庭」
 今度は真剣な声で呼ばれる。

「……私、なんか変だよね」
 自然に口に出てしまった。心の中で押さえようとしていたことが、勝手に出てしまった。


 月城くんは黙ったまま、私の目を見つめる。
 息が止まるくらい、真剣で。


「桜庭のことが……頭から離れない」


 私の手のひらに、彼の手がそっと重なった。
 軽いはずなのに、体の芯まで熱が伝わる。

 心の中では、戸惑いと期待と、どうしようもないドキドキが渦を巻いた。
 でも、同時に、もっと彼の近くにいたい気持ちも湧き上がる。