氷雨くんにコップを構えられ、よけたことのない一颯くんはとぼけて見せるも、自分のつぶやきがなぜ届いてるのか首をかしげていた。
「……んだよ、さわがしいと思ったら」
床に寝転がり、ひとり静かに音楽を聴いていた湊くんは、なんだと体を起こしさわがしくなってきたリビングにため息をつく。
──いつも通り……だよね。
私が連れて行かれたあの日……五人が、お互いに総長さんだって分かったわけで。
それを熱が治ってから改めて気付き、ひとりで青ざめた私を壱心くんが『救急車!!』とあわてだす、なんてこともあった。
それは家の中で喧嘩とかがありうる、って最初にいだいた私の心配が現実になるのかもしれないと思ったから。
けどこの数日、みんなはお互いのことを知っても総長だと話を振ることなく、何一つ変わらない接し方をしてる。
だから私の心配はいらないものだろうと考えた。



