なのに私は、持ち歩いたあげく話せないまま、あの男の子たちに……。
「ごめん……なさい」
もらった日に、すぐ誰かひとりにでも話しておけば、私が連れ去られるなんて迷惑をかけることなかったかもしれない。
そんなこと、今更悔いても仕方のないことだけど……。
「あいたっ」
ちょっとだけ痛いデコピンをされ、見上げると氷雨くんはマスク越しにため息をついた。
「お前今、なんかどーでもいいこと考えてんな?」
「迷惑かけたーとかね。僕たちそんなの一ミリも思ってないから大丈夫だよ先輩」
「ぼくも思ってないから安心しておくれ」
「つかそんな風に思ってたら助けに行かねぇっての」
「むしろおれは花耶に頼られたい。おれだけ──んご!」
壱心くんだけ美嵐くんに口をふさがれてしまうも、迷惑じゃないと言い切ってくれる気持ちが心の救いだ。
「……ありがとう。みんな、ありがとう」



