溺愛されるオッドアイ


変に首を突っ込むことはしないで家に帰ろうと背中を向けた時、後ろからそんな会話が聞こえた。
振り向けば、お母さんと女の子がいて。
お母さんのお腹は大きくすぐに妊婦さんなんだと分かった。
お母さんのスカートのすそをにぎっていた女の子は、何かを決心したのか不良くんのもとへと走っていく。

「あの……」
「あ?」
「……っ!」

お母さんのお腹には赤ちゃんがいるから、遠回りさせたくない。そんな気持ちが伝わってきた。
けれど、不良くんのにらみで小さな女の子の勇気はいとも簡単ににぎりつぶされてしまい、ひるんだ女の子のもとへと不良くんのひとりが(せま)っていく。

よくない。よくないね、こういうの。

汗を浮かべ一歩踏み出したお母さんを、服のフードをかぶってから私は制した。

「え?」