大きなクッキーに、大丈夫だと言おうと思ったけど、向けられるかわいらしいキラキラとした笑顔にことわりの言葉を言うのはよしておこうと、そのまま頷いてみせることにした。
「ありがとう。クッキー、もらっていいの?」
「うん、いっぱい買ったからおすそわけ!」
「ぜひ、もらってください。本当にありがとうございました」
もらってもらって!と嬉しそうに袋に入ったクッキーを差し出す女の子。
それにお母さんまでもが笑顔でぜひというから、無下には出来ない。
お母さんの方には軽く頭を下げて、女の子と目線を合わせるために膝をついた。
「大事に食べるよ、ありがとう」
「うん!ばいばーい!」
見えなくなるまで何度も振り向かれては手を振られ、私も振り返した。
とりあえず良かった、遠回りしなくて済んで。
……なんて安心してる場合じゃなかった。本当に帰らないと。光った目を見られでもしたら大変だから。



