一刻も早く、剣崎先輩を教室から追い出さなきゃ。
恥ずかしすぎる。
大注目を浴びているし。
ドキドキと羞恥心の限界突破は無理と、剣崎先輩の言われた通り口を開けちゃったけれど
「キャァァァ!」
「うらやましすぎる!」
お菓子が口に放りこまれた瞬間に沸いた、女子たちの悲鳴に肩がビクり。
力んだと同時に歯がパリッとした皮を砕き、優しくて上品な甘さが口いっぱいに広がった。
おいしい、粒あん入りのもなかだ。
和菓子を食べると、今は亡きおばあちゃんと縁側で日向ぼっこをしながらおしゃべりした日々を思い出しちゃうな。
って、大好きだったおばあちゃんを思い出している場合じゃないんだった。
「明日はもっとおいしいお菓子を用意するから、絶対に他の子から餌付けされないでね」
剣崎先輩はモグモグする私を見て満足そうに微笑むと、私の頭をポンポンして教室からいなくなったのでした。



