ケーキの箱を大事に抱え立ち上がる。
箱に入っていたプラスチックのスプーンを手に取り、ショートケーキをすくった。
「最後に食べてくれるんだね、嬉しいよ」
苦しそうに口角を上げた剣崎先輩。
私は首を横に振る。
私は今まで、剣崎先輩にいろんなお菓子を食べさせてもらった。
その中でもこのケーキが一番おいしそうだ。
一番心がこもっていて、眺めているだけで幸せな気分になる。
剣崎先輩、私に餌づけをしてくれてありがとうございます。
好きになってしまいました。
大好きなんです。
甘くて優しい剣崎先輩も、不器用な優しさで包んでくれたエースさんのことも。
言葉にするのは恥ずかしいので、行動でこの恋心を伝えさせてください。
「剣崎先輩、あーんしてください」



