「3人組の女の子たちに囲まれて、奈乃ちゃんと一緒にいた子が責められはじめた。人によって態度を変えるなんてありえない。あざとすぎ。見ててイライラするって」
あの時かと記憶がよみがえる。
親友の雪ちゃんが、他のクラスの女子三人組に悪口を言われたんだ。
「雪ちゃんは可愛いうえにゲーム好きだから男子に好かれやすくて、よく学校の女子に嫉妬されてたんです」
「その時奈乃ちゃんが言ったんだ。人間みんなそう。私だって話す相手によって態度を変える。雪ちゃんは気遣い屋さんで、相手が楽しめるようにいろんなキャラを使い分けてくれる。それは雪ちゃんの優しさなの。雪ちゃんを責めるなら、私はあなたたちに笑顔でいようと思わないからって、奈乃ちゃんがきっぱりと3人に伝えていて」
うわぁ、なんて上から目線だったの?
中学の時の私ってば。
「雪ちゃんをかばいたい一心で……人として酷いことを言ってましたよね……」
剣崎先輩に嫌われるのが怖くなり、語尾がかすれてしまった。
剣崎先輩は口元にうっすら笑みを宿し、微笑みながら首を横に振っている。



