大人気生徒会長は餌づけしたい


「傷つけてごめんね」


 苦しそうにささやいた剣崎先輩は、私の隣に座り校舎に背中を預けた。

 剣崎先輩が辛そうな顔をしているのは私のせいで間違いない。

 罪悪感が涙腺を痛めつけてくる。

 私なんかに関わらなければ、剣崎先輩は心を痛めることはなかったのに。

 やっぱり全部私のせいだ。



 二人の間に沈黙が流れる。

 空を見上げ黙り込んでいた剣崎先輩だったが、独り言のように言葉を紡ぎ始めた。



「救われたんだ、奈乃ちゃんに」


 え?

 思ってもみなかった言葉が私の脳を困惑させた。

 目を見開いて剣崎先輩を見つめてしまう。



「私たち……餌づけ前に話したことは……」

「ないよ。俺の勝手な一目ぼれ」

「一目ぼれ? 私にですか?」