「ありがとう」
「フフフ、どういたしまして。たまにはうちらにも高級なお菓子を差し入れしなさいよね」
物乞いをするように手を出され、その手を振り払う。
「悪いけど、俺が餌づけしたいのは奈乃ちゃんだけだよ」
「言うわね、愛が深すぎて胃もたれがしてきたわ。楽屋に戻って苦いコーヒーでも飲もうっと」
夜の風に長い髪を躍らせながらクイーンが去っていく。
俺はまだ屋上から離れる気にはなれない。
が、夜空を見上げ、いつの間にか雲がはけ煌めきだしたあまたの星たちを綺麗だと思えるくらいにはメンタルが回復している。
弱さを吐き出せる相手がいてよかった。
醜い自分をさらけ出せる場所があってよかった。
煌々と輝く黄金の月に見守られながら、ロイフラのメンバーも大事にしようと心に誓った。



