机を向かい合わせにして座っている、親友の雪ちゃんと目が合った。
どういう状況?とハテナを飛ばしたのに、雪ちゃんはなぜか楽しそう。
「そう来たか、でも想定内、だって奈乃だもん」
ツインテールを揺らしながら雪ちゃんはニマニマ微笑んでいて、ハテナで重くなった頭が勝手に傾いてしまう。
えっと……餌付けってなに?
なぜ私は、高校で大人気のイケメン生徒会長様からキャラメルを食べさせてもらったの?
彼は高校3年生の剣崎唯人(けんざき ゆいと)先輩です。
大人っぽい切れ長の目もと、すーっと通った鼻筋、形のいい唇。
きめ細やかな肌に完璧な顔面パーツがバランスよくはめ込まれていて、いつもニコニコ優しいから高校の女子たちに大人気。
有名企業の御曹司でもあるんだ。
そんな微笑み王子が私だけに笑顔をプレゼントしてくれているこの状況は、意味不明すぎてもはやホラーだ。
しかもここは教室。
クラスメイトだけじゃない、他のクラスの子たちもお弁当を広げてワイワイガヤガヤしているお昼休み。
あんなに騒がしかった教室が静まり返っているのは、みんなが私と生徒会長に注目しているということで間違いない。



