でもその直後、剣崎先輩の顔から温かみのある熱が消えた。
笑みがない真剣な顔で彼が言い放った言葉は
『ロイフラのエースには二度と会わないほうがいい』
だった。
心臓が止まるかと思った。
なぜ私とエースさんの関係を知っているの?
この前のロイフラライブに剣崎先輩が来ていたのかな。
高校の人がライブ会場にいて、エースさんが私を抱きしめ彼女だと宣言したところを見たのかもしれない。
噂が学校中に広まっているのかも。
それなら誰かしらが真相を聞いてきそうなものだけど。
私はエースさんの嘘カノだ。
次回のライブに来てとお願いされたから、ただ今、現在進行形で、私はライブハウスのステージから一番遠い出口あたりに立ち尽くしているんだけど、はっきり言って居づらい。
まだライブは始まってないのにすでに帰りたい。
敵意が込められたファンからの視線が痛い。
いろんな角度から突き刺さってくるから顔を上げられない。
瞳の上までしかない前髪を指で伸ばして、胸にたれる横髪を頬にかき集め、うつむきながら精一杯顔を隠している。



