手を差し出され、戸惑いながらも手を伸ばす。
手首を掴まれ、引っ張られ、立ち上がった瞬間だった。
エースさんのぬくもりが私を包み込んだのは。
「ひゃっ」
さらに強く抱きしめられ、私の頬がエースさんの胸元に沈みこむ。
抱きしめられている意味がわからない。
「よかった、無事で」
心からほっとしているような声が耳に届き、ドキドキがせりあがってきた。
抱きしめられたまま頭を撫でられ、恥ずかしすぎてエースさんの腕の中から逃げ出すことも声を漏らすことすらできない。
バタバタというたくさんの足音が耳に飛び込んできて、心臓が嫌な音を立てる。
どうやら私は、たくさんのロイフラファンに囲まれているらしい。
「その子はエースさんの彼女なんですか?」
違うんですと首を横に振りたくても、私の頭に手を乗せているエースさんがそうさせてはくれなくて。
「死ぬ気で愛しぬきたい子だよ」
芯のあるオス声で、破壊力抜群の胸キュンセリフを放ったんだもん。
「きゃぁぁぁ!」
「嫌ァァァ!」
竜巻が起きそうなほどの発狂悲鳴がライブハウスを駆ける中、私の頬は燃えるように火照ってしまった。
死ぬ気で愛し抜きたい子って……
初対面なのに……



